羽越本線で秋田県に入った辺りから、進行方向右手にずっと見ていた鳥海山ですが、その山麓はあくまで山麓なので、そこに行き着くまでの間はきっと平地なのだろう、と考えていました。なので「由利高原鉄道 鳥海山ろく線」も、平野部をコトコト走るイメージがあったのですが、いい意味で裏切られました。確かに「高原鉄道」だったのです。
薬師堂、子吉と矢島街道に沿って走った後、街道と岐れると右にカーブしながらなだらかに勾配を上る、そして何となく左にカーブし、再び平地に。この勾配とカーブの区間は、正に高原鉄道。一大ビューポイントだと思いました。
さて、羽後本荘を18:47に出た21D*1は、終点の矢島に19:26の着。矢島からの上りは、20:06発(26D)になってしまうので、宿の都合上、そこまでは粘れないし、そもそも暗くなってしまっては仕方ない。そのため、途中駅で降り、上り(24D)に乗って早々と戻ることにしたのでした。
タブレット交換が行われる前郷まで行ってしまうと、正に交換状態なので、19:08着−08発で、降り乗り不可能。選択肢としては、曲沢(19:04着−11発)か黒沢(19:02着−13発)かです。
暗くなるギリギリという点では同じでしたが、黒沢で下車。来た方向に目を遣れば、線路のカーブとその先の微かな夕暮れが実に佳い具合で、感無量。蜩の声も涼やかで、風情を感じるひととき…「ローカル線パス」あっての醍醐味です。
↑ 列車番号24D、上り羽後本荘行き
注)JRの黒沢駅は、北上線(横手市)にあります。(離れた場所にある「同県内・同一駅名」の一例)