旅客営業をしていない臨海鉄道であっても、周年記念のイベントを開くことはあり、しかも一般公開は今回が初、加えて2020年度末を以って鉄道事業を廃止することが発表されているとあれば、行かない手はありません。ただし、社会的情勢もあり、現地に行けば参加できるというスタイルではなく、人数を限った設定での旅行商品を申し込む必要があり、その点でも特別なものでした。あいにく販売開始早々の段階では申込は通らず、時間が経ってからキャンセル待ちで何とか申込成立。果報を待つことにしました。
10月4日、幸運なことに空きが出た旨の連絡が来ました。「Go To」も始まったことなので、キャンペーンに乗じて、秋田1泊2日の対象ツアーも手配。秋田駅発着の「秋田臨海鉄道見学の旅」は、かくして実現の運びとなったのでした。
待望のイベント「秋田臨海鉄道特別公開2020」は、秋田港駅が会場。同駅は、JR東日本としては臨時駅のような扱いですが、通常の営業列車の発着はなく、基本的にはツアー専用列車を使わないと乗り降りができない駅です。土崎~秋田港については「奥羽本線貨物支線」(1.8km)を通るため、行程もまたレア。秋田臨海鉄道のイベントもさることながら、いわゆる「乗車チャンスの少ない」区間や駅を体験できるのもツアーの大きな魅力だったと思います。
秋田~秋田港は、男鹿線のキハ4両編成で往復。「秋田港クルーズ号」のサボつきで、さながらクルーズ列車の趣です。往路は秋田12:16発→秋田港12:31着、復路は秋田港15:00発→秋田15:18着の予定。貨物支線は距離は短いながらもカーブが基調で、列車はゆっくり進みます。秋田港ホーム進入線前の一時停車などもあり、実際は数分遅れの到着。帰りの秋田駅到着時刻も5分ほどビハインドでした。希少な運行をより長く堪能できたという点ではよかったと言えます。
秋田港駅は、貨物駅の中に旅客用の最低限の施設を設けたような感じでしたが、2018年4月開設というだけあってパッと見は新駅そのもの。ホーム長は4両編成に合わせてあるため、ホーム上から列車の先頭部が撮りにくいというのが難点・・・その代わり、駅前のスペースが広々としているので、編成をあらゆる角度から撮ることが可能です。
今回のイベントはそうしたスペースを含め、広い構内を活かす形で展開。滞在時間は2時間半あった訳ですが、持て余すことはなく、丁度いいくらいのスケールでした。
*「秋田臨海鉄道特別公開2020」については、注目ポイントなど多々あったので、番外編として次回改めてご紹介しようと思います。