乗り降り記録ブログ[駅ログ]

全国の鉄道駅の乗り降り記録を綴ります

#3882 若松(2023.11.5)

2022年は11/3に岡山市の「運賃無料DAY」、11/5の倉敷市の「路線バス・臨鉄無料デー」に合わせ、岡山電気軌道水島臨海鉄道の完乗プランを敢行。2023年も同様の取り組みが各地で見られる中、目を付けていたのが北九州市の「地域公共交通市内1日無料デー」でした。

今年3回目となる無料デーは11/5。朝早くに東京を出て、小倉には11時半過ぎに着き、午後以降にその無料デーに乗じることにしました。

北九州市内でまだ乗ったことのない路線や区間はいくつかあって、JRでは若松線が筆頭格。若松線区間を含め、筑豊本線で見ると若松~折尾~直方~新飯塚原田線区間桂川~原田が未乗でした。これら区間になかなかご縁がないのは、若松線がいわゆる盲腸線で、起点・終点の若松にアクセスしにくいことが最たるところ。その突破口となったのが今回の無料デー(+バス)という訳です。

ホテルに荷物を預け、小倉駅北口界隈をブラブラ。若松駅に近い停留所を通る市バスは小倉駅新幹線口12:15発でした。高速道路や若戸大橋を経由し、バスは15分ほどで大橋通りに到着。駅までは150mほどですぐに着きました。

若松駅外観

石炭を積んだ貨車が大挙、集結する貨物ターミナル駅の歴史を持つ若松駅。その操車場跡地の東端には、モニュメントとともに往時に石炭輸送等で活躍したSL「9600型19633号」が静態保存されています。駅出入口からSLのある場所までは150m余り。この辺りも構内だったとするとその広さはかなりのものだったことがわかります。駅舎の別室に目立たない状態で展示されている配線図などを見てもそれは瞭然。駅舎内の展示物の一つ、「若松市鳥瞰図」*1でも、広い構内と数多の貨車が描かれています。

SL「9600型19633号」。久岐の浜広場の一隅で、風雨にさらされる状態で展示されています。設置、公開されたのは1989年3月のようです。
若松駅操車場跡碑など。モニュメントは、SLの後方にあります。解説によると、1954年時点で東西約3km、面積約35万平方kmの広さだったとか。石炭をメインとした貨物取扱量は1940年に年間約830万トン。国内最大の取扱量だったとあります。
若松駅配線図(年月不詳)。線路総延長31.747km、構内最大幅員230mといったところに壮大さを感じます。
9600型19633号の解説など。同機は1917年製で、若松エリアには1950~1973年に在籍。
若松市鳥瞰図」など。鳥瞰図左側が洞海湾。湾の奥には無数の帆船、手前に貨物船が描かれているのがポイント。貨物駅は貨物船が行き来する範囲にあります。
駅舎内には石炭の実物展示も

貨物駅としての役目を終えた後、今は1面2線のみと実にコンパクトな駅に。かつての広大さを思い描きつつ、ホームの長さにその歴史の片鱗を見る・・・そんな過ごし方ができるのも当駅の特長と言えるでしょう。

直方行き普通列車(若松12:59発)

乗車するのは12:59発の直方行き。819系「DENCHA」でした。JRは無料デーの対象外ですが、この時は未乗区間をこなすのが優先。終点まで行くことにしました。

若松駅構内。後方が操車場跡。今は「久岐の浜シーサイド」の住宅棟が並んでいます。


以下は、市バス車内での撮影分です。

「地域公共交通市内1日無料デー」の掲示。無料対象は、西鉄バス、市営バス、北九州モノレール筑豊電鉄関門汽船
若戸大橋からの眺め(戸畑側)

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*1:吉田初三郎、1933年作。この若松市のほか、戸畑市八幡市の鳥瞰図三点は、ゼンリンミュージアムの企画展「くきのうみ~近代産業の中心地 若松・戸畑・八幡~」(→参考で12/28まで見ることができます。