初めての若桜鉄道は、往路が八頭高校前→若桜、復路が若桜→郡家という変則パターン。完全往復ではありませんが、行きも帰りも進行方向右の車窓に専念することで、沿線風景をひととおりカバーできるようにしました。
若桜鉄道の大きな特長は、駅舎や橋梁を中心に23の施設等(→参考)が国の登録有形文化財に指定されていること。予習はしておいたので、概ね把握はできたものの、対象の六つの橋梁については通過中の様子を撮るのがやっとでその全体像を目にするのは困難・・・今回は車両後方からの展望をいくつかといった成果にとどまりました。
駅舎(本屋)の方は、全9駅中6駅が登録有形文化財。進行方向右側の場合は、往路(下り)では因幡船岡、隼、八東、若桜、復路(上り)では丹比、安部の順になります。窓越しではありましたが、途中の5駅については大まかな撮影ができました。
そんな訳で片道30分ほどの乗車時間ながら、いい意味で気が抜けないのが若桜線の旅。終点の若桜駅に至っては駅舎やプラットホームはもとより、給水塔、転車台、さらには物置や番所なども指定されていて、件数にして八つもあります。道中も到着後も盛り沢山なのです。
若桜到着は14:58。次の上り(鳥取行き)は15:13発なので、すぐに折り返す場合は15分しかありません。この日の宿泊先が鳥取であれば次の16:13発でもいいのですが、山陰本線で東に行った先となるとそういう訳にも行かず、最短コースの滞在となりました。
鳥取行きは先頭に「八頭号」(→参考)を連結した上での2両編成。その連結シーンを見物(+動画撮影)してから駅舎や駅の外に出たこともあって、さらに時間が限られる形に。駅舎内の「わかさカフェ『retro』」でくつろぐことも、入構券(300円)を買って、構内留置のSLやブルートレインなどを間近に見ることもなく、駅を後にした次第です。橋梁を渡る列車を撮ったり、歴史ある木造駅舎を堪能したりという向きには1日乗車券を前提としつつ、別の手立ても必要なことがよくわかりました。
復路はせっかくなので「八頭号」に乗車。ゆったり過ごしつつも引き続き車窓に集中し、文化財関係は余念なく押さえることができました。八頭高校前を出て郡家に着いた時点で、若桜線はめでたく完乗に。鳥取県内の鉄道路線もこれで全線達成と相成りました。
郡家では15:45着-52発。鳥取まで直通する列車だったので、そのまま待機してしまいそうでしたが、ここで一旦下車しないと若桜鉄道の郡家駅のカウントが成り立ちません。ホームに一応降り立ち、「八頭号」を含む2両を記念に撮影。かくして郡家駅の乗降記録は、JRが通算3916番目、若桜鉄道が3919番目と分かれる形となりました。あまり例がないパターンですが、逆にいい記念になったと思います。