松尾まで行きながら、その隣の嵐山へは行かず、未乗降駅をめざすあたりは我ながら何だかなぁ…とは思います。が、ひととおりの行程を設定している以上、まずはそれが優先。人があまり行かない場所にこそ何かがある、といった自分なりの動機も付けて、とにかく京都を後にするのでした。
やってきたのは洛西口です。途中からいわゆる立体化工事区間と並行する形になり、洛西口に着いたら駅そのものが工事対象のようになっていて大いに驚きました。2003年3月に開業した駅ゆえ、「まだ新しかったのにそれをどかして、今は仮設状態?」というのが信じられなかったのです。
新しめの駅だったので来てみたら、さらに新しくするための工事が行われていた、というのはこれまで経験したことがありません。ただ、戦後間もなくの頃、同じ場所に「物集女」という名称でここに駅があったことをあとで知り、実は古くて新しいというのが正しかった次第。物集女(もずめ)駅は、わずか2年1カ月で廃止されてしまった訳ですが、廃止年の1948年から55年のブランクを経て、名前を変えて復活、そしてまた新たな駅舎へ、ということになります。開業当初から先を見越してシンプルな駅にしていたそうですが、その変遷は少々複雑です。